
生成AIが2070年の「万博の森」を未来予測 ! イマーシブインスタレーション作品「奇跡の森 EXPO ’70 – 生成AIによる映像 Ver. 2」を大阪関西国際芸術祭にて展示(2025.4.11-8.24)
2025.4.11[金]- 8.24[日]の期間、「Study : 大阪関西国際芸術祭 2025」にて、約2.3m x 4m のイマーシブインスタレーション作品「奇跡の森 EXPO ’70 – 生成AIによる映像 Ver. 2」を展示します。
畑 祥雄(写真家・映像プロデューサー)の写真作品《奇跡の森 EXPO ’70》を江夏 由洋(デジタルシネマクリエーター)が生成AIで映像化し、江夏 正晃(音楽家・DJ・エンジニア)がイマーシブサウンドを制作して仕上げた、ここでしか体験できない作品です。
会場は船場エクセルビルとなります。芸術祭自体は10.13[月]まで複数の会場で開催されています。ぜひご来場ください。
畑 祥雄 + 江夏 正晃 + 江夏 由洋
「奇跡の森 EXPO ’70 – 生成AIによる映像 Ver. 2」
イマーシブインスタレーション作品
映像 : 5分、ループ、イマーシブサウンド(2025)
写真 : アーカイバル顔料インクジェットプリント(2021 – 2024)
会期 : 2025.4.11[金]- 8.24[日]
会場 : 大阪関西国際芸術祭 船場エクセルビル
詳細 : https://osaka-kansai.art/products/hata-enatsu
《奇跡の森 EXPO ’70》
ビジネスセンターになる予定だった70年万博のパビリオン跡地。環境悪化を懸念する声を受け、「緑に包まれた文化公園」(万博の森)へと計画が急展開した時、「人工」の力による森創りが始まりました。設計は日本を代表する造園家 吉村 元男。その背景には、国立民族学博物館の初代館長 梅棹 忠夫の思想「森創りは夢の苗床」がありました。
それから約50年。畑 祥雄は70年万博の跡地が豊かな「都市中の森」へと成長し生物多様性まで復活していること、しかしほとんどの人がその存在すら知らないことに驚き、2021年より毎週、森に通いながら撮影を続け、写真作品《奇跡の森 EXPO ’70》を制作しています(お問合せ : The Third Gallery Aya)。
森が自立するためには100年もの年月が必要と言われています。「この森が100年を迎える2070年、豊かな森になっているのか、今よりも痩せ衰えているのか。21世紀を生きる日本人の肖像になる。」
このような考えから、2024年、奇跡の「万博の森」を未来へと引き継ぐため、写真集『奇跡の森 EXPO ’70』(ブレーンセンター)を出版しました。同時に、大阪(The Third Gallery Aya)及び東京(kanzan gallery)にて個展を開催しました。
現在(2025.4.11[金]- 8.24[日])、大阪関西国際芸術祭にて、写真作品をもとにしたイマーシブインスタレーション作品を展示中。2025年7月には京都(同時代ギャラリー)にて巡回展が予定されています。
「奇跡の森 EXPO ’70 – 生成AIによる映像 Ver. 2」
1970年大阪万博の会場跡地につくられた国内最大級の都市公園——通称「万博の森」を被写体に、畑祥雄は2021年から写真撮影に継続して取り組んでいます。本展示では、この人工的に造成された森に息づく無数の生命の営みを捉えて厳選した写真作品と、江夏正晃(音楽)および江夏由洋(映像)とのコラボレーションによる、AIが未来予測した2070年の「万博の森」の映像にオリジナル楽曲を合わせた作品を、関連資料とともに紹介します。
当初、大阪府吹田市内の更地に計画されていたビジネスセンターの建設案は、急速な都市化と環境問題への社会的関心の高まりを背景に、わずか数ヶ月で「緑に包まれた文化公園」へと方針が転換されました。文化人類学者・梅棹忠夫の提言と、造園家・吉村元男の設計理念に基づき、ニューヨークのセントラルパークに匹敵する規模と、生物多様性の復元を可能にする革新的な都市公園が誕生。自立循環が可能な森の成立には100年を要するとも言われるなか、今では多くの昆虫や野鳥が確認される都市の森へと短期間で変貌を遂げました。生きものと人が交流し、互いに影響し合う憩いの場となり、未来の都市の在り方を問い直すモデルケースとして近年改めて注目を集めています。
本作は、時の流れとともに変容する人工の森の姿を通して、生命の根源と人間のより良い生き方とは何かを探求します。また、表層的な「人工」が偏在する現代において、深遠な「人工」の可能性について考察を促します。現在の意思決定が未来の環境や社会の在り方に及ぼす影響と責任の大きさを鮮明に示しながら、作品が映す一瞬一瞬はドキュメンタリーを超えて、私たちがこれからの社会を築く上での鋭い提言として迫ります。
岸本 光大(キュレーター)
畑 祥雄|HATA Yoshio
写真家・映像プロデューサー
1950年京都市生まれ大阪府在住。「万博の森」(1970年大阪万博の跡地に人工の力でよみがえった生物多様性の森)をテーマに写真作品《奇跡の森 EXPO ’70》を制作し、50年先を予想するAI映像もプロデュース。さらに、写真集をブレーンセンターより出版し、個展を The Third Gallery Aya や kanzan gallery で開催。人工生物をテーマに改良ニワトリの一生を写した写真作品《HANAKO》(1990)はロッテルダムフォトビエンナーレ(1992)に招待され個展開催。作品は京都国立近代美術館や和歌山県立近代美術館、スキーダム市立美術館、プライベートコレクションなどに所蔵。写真家活動と並行し、東松照明の写真作品《さくら 桜 サクラ》を写真集 & 展覧会としてプロデュース。山沢栄子の写真作品《What I am doing》では制作ディレクションや展覧会プロデュースを担当。文化プロジェクト(花博写真美術館やIMI大学院講座など)もプロデュース。現在、大阪国際メディア図書館館長・写真表現大学 & Eスクール総合監督として、メディア教育のカリキュラム開発にも取り組む。
江夏正晃|ENATSU Masaaki
音楽家、DJ、エンジニア
marimoRECORDSのプロデューサーとして多くのアーティストのプロデュースをするかたわら、エレクトロユニットFILTERKYODAIとしても活動中。同時にCM音楽、映画のサントラ、自動車のサウンドデザインなども多数手掛ける。2020年10月世界初ハイレゾ・アンビソニックアルバム「PIANO Pieces」をリリース。2023年、アートインスタレーションユニットRIKOHSで立体音響のインスタレーション作品を世田谷ALL DAY GALLERYで展示。近年はHP、三井住友銀行などとAI技術を駆使したアート作品をコラボ展開している。関西学院大学の非常勤講師、洗足学園音楽大学の客員教授も務め、著書に『DAWではじめる自宅マスタリング』(リットーミュージック)などがある。本著は中国語にも翻訳され重版を重ねる。JSPA(一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ)の理事も務め、各社シンセサイザーの開発協力、全国で子供向けのシンセサイザーワークショップなどを手掛ける。
江夏由洋|ENATSU Yoshihiro
デジタルシネマクリエーター
1998年東京放送(TBS)入社。スポーツ局にてオリンピック、世界陸上、世界バレーなどの世界大会のディレクター、プロデューサーを担当。スポーツドキュメンタリーも多数。2008年同社退社後、兄弟でマリモレコーズを設立。デジタルワークフローを主軸とした音楽と映像の制作会社をスタート。富士フイルム、SONY、TOYOTAなど多数のプロモーションプロジェクトを手掛けている。エキスポシティのオープニングでは70年万博のアーカイブ映像を編集制作。AIの実験映像「風をうけて」や《奇跡の森 EXPO ’70》のAI映像も制作。AI技術を駆使したアート作品を三井住友銀行などと創る。2018年立教大学で授業をもちはじめ、現在は洗足音楽学園大学客員教授として教鞭をとる。